ウクライナにおけるオーガニック市場の発展

ウクライナにおけるオーガニック市場の発展」という名前のスイスのプロジェクトが、6月26日にキエフのウクライナ国立科学アカデミーで正式に発足した。これは、スイスオーガニック農業研究所(FiBL)がイス連邦経済省経済事務局(SECO)の助成を受けて実施するプロジェクトで、ウクライナの中小企業がオーガニック認定農産物を通じ国際貿易に参加するのを支援するものである。

このプロジェクトは、2005~2011年の6年間にFiBLが実施した第一段階のプロジェクトを引き継いでいる。ウクライナ側のスイス協力オフィス所長で、ウクライナにおけるSECO代表を務めるGuido Beltrani氏は、「2012年から2016年にかけての第二段階では、市場の需要が強い西ヨーロッパ市場向けの耕地作物と国内市場向けの乳製品の2つのセクターに重点を絞る予定だ」と語る。また、「これと合わせて、ウクライナのカルパチア山脈地方の代表的な生産物を対象とした商標を作成し、地域のサービスを強化するとともに、ウクライナのオーガニックセクターの発展を促す事業環境を整える予定である。プロジェクトはオーガニック農産物の貿易に関するSECOの方針に沿ったもので、『スイスの対ウクライナ協力戦略、2011-2014年:輸出の多様化と国際貿易への統合を通じた中小企業の経済的安定の向上』が掲げる目的にも資するものだ」としている。

 

ウクライナ農業政策・食料省のAnatolii Rudiuk農業局長は、「我が省は、ウクライナのオーガニック農業には大きな可能性があると見ている」と強調する。そして「ウクライナではオーガニック法案の準備が進められており、オーガニックセクターで起業する事業者も増えている。そうしたなか、国際的な支援と専門知識が大きく必要とされている。ウクライナの生産者と加工者は農場をオーガニック経営に転換する方法や、マーケティングや宣伝のノウハウに不足しているからだ。彼らの認識を高め、セクターを強化していくには、そうした情報を収集し普及させる必要がある。スイス人はオーガニック農業に関する高度な専門知識があるとされている。従って、この新しいスイス・ウクライナ間のオーガニックプロジェクトの実施により、オーガニックセクターが育ち、貿易の拡大にもつながっていくものと確信している」と語った。

 

一方、プロジェクトのFiBL側のリーダーであるTobias Eisenring氏は、「ウクライナのオーガニック農業は、この地方の肥沃な黒色土、“チェルノーゼム”の劣化を引き止めるのに大きく役立つ可能性がある」と語る。そして、「近年、チェルノーゼムの腐植含有量が激減し、土壌生物も大幅に減少している。そしてその結果、作物の収穫高が本来のレベルをはるかに下回る事態になっている。しかし国際的な需要が高まっている現在、オーガニック農業は投資する価値があり、消費者と生産者の両方に利益をもたらすものだ。それをウクライナの企業に理解してもらうことが、このプロジェクトの目的である。ウクライナでは過去数か月間に、オーガニック認定乳製品の需要が大きく増大した。また、オーガニック認定製品には品質の高さが求められるため、オーガニック食品はウクライナにおける食品の安全性の改善にも大きく役立つ。現在、ウクライナでは、約190の認定事業者がオーガニック農業に携わっている。彼らは技術的なノウハウと市場の支持を強く必要としている。こうした事情のもと、2016年まで、FiBLの専門家と他の国際的な提携機関が専門知識を活用し、ウクライナの専門家と協力しながらウクライナに適したやり方を実施していく予定だ」と述べている。

 

このプロジェクトはまた、ウクライナのカルパチア山脈地方の利害関係者の要望にもとづき、地域特産品の商標を作成してこの地域の市場参加者を支援する予定である。商標作成の目的は、この地域の代表的なオーガニック認定品および非オーガニック産品の販売を促進し、それを通じてヨーロッパ最貧地域の1つであるこの地域の雇用を維持、増進することにある。

 

出典:FiBL(スイスオーガニック農業研究所)

Organic-Market.infoより

(翻訳:ボランティア 池田 真紀さん)

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