オーガニックと、非オーガニック作物の著しい違い

著者: クラウディア フロストClaudia Frost
出典: NCU

英国ニューキャッスル大学が率いる国際専門機関が、オーガニック作物と、その作物を原料としている食材は、慣行農業で育てられた作物よりも、60%以上も抗酸化作用のある物質が多く含まれることを証明した。

1人前のオーガニックの果物、野菜とシリアルは、追加で1〜2人前分の慣行農業の果物と野菜(合計2〜3人前)を食べたときと同等量の、抗酸化物質を余分に摂取することができることを発見した、専門分野で最大規模の研究をした、British Journal of Nutritionにて掲載された。
また、同研究はオーガニック作物の毒性重金属の濃度が、極端に低いことも示した。

この研究を導いた、ニューキャッスル大学の教授である、カルロ・レイファート(Carlo Leifert)はこう説明する。「 多くの場合矛盾しており、分かりづらい、現在消費者が入手できる情報に対して、この研究結果は、重要な追加情報となる。この分析は、食材の質は、生産される方法に強く影響を受けるということを示唆する。

具体的に、オーガニック農業の基準では禁止または厳しく規制されている、高い濃度の加工された化学肥料や、特に顕著な窒素とリン酸肥料などが、慣行農業の作物において著しく低い抗酸化物質の濃度への影響を与えることもより一層明らかになってきている。

オーガニック作物と作物を原料とした製品は、慣行農業によって生産された製品よりも高い濃度の抗酸化物質(フェノール酸、フラバノン、スチルベン、フラボン、フラボノール、アントシアニンを含む)を保持していることが発見された。

ほとんどの抗酸化物質化合物濃度の違いの平均は、18%から69%の間だ。

その差は小さいが、統計的に著しいのは、カロチノイドとビタミンの数においても、構成物の違いが発見されている。

オーガニックの果物、野菜とシリアル(それらを原料とする食材も)への転換は、
作物ベースの抗酸化物質であるポリフェノールの消費量を、余分のカロリーを追加することなく、20%から40%(いくつかの化合物によっては60%以上)増加させることにつながる。

これらの増加したポリフェノール化合物と、他の作物の抗酸化物質の活性化による二次副産物は、クローン病や、心血管疾患や、神経変成疾患、いくつかのガンなどから体を守る。
オーガニック作物においては、各種の毒性重金属の濃度がより低いことが発見され、特にカドミウムは、平均して48%も低かった。カドミウムは、欧州委員会が食物における汚染レベルの最大許可値を設定している、鉛と水銀に加えて、唯一の3つの毒性重金属のうちのひとつだ。(日本でのカドミニウム中毒の例は、イタイイタイ病)カドミウムは体内に蓄積されるということで知られていることもあるように、その消費をいくらかでも減らすことは、とても有益だ。窒素も同様に、オーガニック作物の濃度のほうが低いことが発見された。合計の濃度は、窒素が10%、亜硝酸塩が30%で、亜硝酸塩は、慣行農業で作られた作物よりも、オーガニック作物のほうが、87%も低かった。慣行農業作物の、高い窒素含有率と濃度は、オーガニック農業基準では、厳しく規制されている、無機質窒素肥料の使用によるものと指示されている。慣行農業の作物におけるより高い窒素濃度は、胃がんや、他の症状へのリスク要因になると説明されているように、栄養的に好ましくない状態である可能性がある。

この研究は、農薬検出の頻度は、オーガニック作物に比べて、慣行農業作物のほうが、4倍も高いことを発見した。慣行農業で育った果物は、おおよそオーガニックの果物の7倍と、残留農薬の頻度もはるかに高い。慣行農業作物と、その作物を原料に加工された食品の農薬残留の頻度は、オーガニック作物に比べて3、4倍も高い。

今後の研究では、特に慣行農業作物サンプルが極めて高い比率で、欧州食品安全機関(EFSA)より、基準値を超える農薬残留が含まれるため規制されているという理由から、
残留農薬を減らすことの健康的メリットや、いくらかの削減は、好ましいと考えられていることを明確にすることが求められている。最近の欧州食品安全機関の調査で、とりわけ、ほうれん草、オート麦、桃、オレンジ、いちご、レタス、ぶどう、りんごのサンプルから残留の最大値を超える農薬残留が見つかった。果物は、健康的な食事の一部である。オーガニック農業は、おおむね農薬や重金属が含まれない製品を保証している。

この研究は、過去に発表された研究の大部分において、深刻な欠陥があることを確認した。これらは、統一化された測定や、報告、証拠の重複や、実験において集められたデータの選定された報告の欠如などを含む。著者である、ニューキャッスル大学の研究は、研究間の変動への理解や、将来の比較食事構成学が標準化されたプロトコルを使用することが不可欠であるため、さらなる研究が必要とされているとの結論づけた。

体系的な文献の見直しと、メタ分析から導きだされた、オーガニック農業で作られた作物に高い抗酸化物質と低いカドミウム濃度、低い農薬残留の発生率がみられるという発見は、これらの2009年に発表された英国食品基準局 (FSA)が委託した、オーガニック作物との実質的な違いや、劇的な栄養利点も見られないことを発見した研究と矛盾している。このFSAが委託した研究の結論は、たった46の作物、肉、乳製品における公表文献をもとにして導きだされたものに対して、ニューキャッスル大学によって行われたメタ分析は、今日手に入るオーガニックと慣行農業作物の組成の違いについての論文審査のある343の公表文献のデータに基づいている。

この研究は、オーガニック対慣行農業によって栽培された食物の栄養含有率の違いの、今まで執り行われた一番広範囲にわたる研究であり、これらは画期的な新しい体系的な文献の論評とカルロ・レイファート(Carlo Leifert)教授を中心とした国際チームによるメタ分析による結果だ。この研究は欧州連合による6番目の構想計画である、「QualityLowInputFood」の下で始まり、その後 シープドロープ信託財団Sheepdrove Trustによる募金により完結した。集められたデータと、この報告に使われた全ての分析データは、ニューキャッスル大学のウェブサイトで、他の専門家や、興味を持つ一般市民のために、無料で入手可能。

 

翻訳:Aki S. Norton

 

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